こちらの記事ではFP2級 (正式名称:2級ファイナンシャル・プランニング技能士) の受検レビューについてまとめています!
社会・経済の仕組みだったり金融経済や資産運用にもともと興味があったこと、日常生活にまつわるお金のこと、私たちの生活に強く結びついている年金や保険などの仕組み・制度についてもっと知りたいと思ったこと、そして「知らない」ことによって損をしたくない!人任せや周りのいうことだけに流されず、自分で調べて予備知識を蓄えておかなくては…と思ったことがきっかけです。FP3級をまず受検 (2020年)、そこから2級 (2021年) という感じでステップアップを目標にしました。
そして、無事2021年5月試験にて合格することができました!ぱちぱち!そのFP2級についてのあれこれ・レビューについてまとめてみましたので、これから受検をされるかたの参考・励みになればと思います(‘ω’)
- 独学でも十分合格できる!数字が苦手でも問題なし
- 実技科目に迷ったら「日本FP協会」の「資産設計提案業務」がよし◎
- 学科・実技ともに過去問対策が重要!
- 学習期間は3級~2級のステップアップ含めて半年くらいはあったほうがいい
- FP2級は決して難易度が特段高いわけではないが、案外手こずる
- 学習分野がとにかく範囲が広い・数字を覚えるのがややこしい
- しかし、コツコツとやるうちに手応えを確実に感じられる (最初は分からなくても大丈夫!)
- 3級→2級でも学習範囲は同じだが難易度は上がる
- 試験当日は時間との勝負!問題数は多め
- 生活のことを考えるきっかけや他の資格試験の腕試しにオススメ
FP (ファイナンシャル・プランニング技能士、ファイナンシャルプランナーなど etc.) は、お金の知識 (主に分野は6つ) についてのスペシャリストみたいなもんです。顧客のライフプランニングに関するアドバイスや資産設計を援助するような感じですね。一応「技能士」なんてついてますが、受検を考える人のほとんどは「自分自身の生活・人生のために必要最低限の知識を身につけたいから」という、自己研磨・啓発目的が多いのではないでしょうか。
1級 > 2級 > 3級 と3つの級があり、最上級は1級となります。
[FPの学習分野]
- ライフプランニングと資金計画 (年金の仕組み etc.)
- 金融資産運用 (NISAの仕組みや金融一般知識 etc.)
- タックスプランニング (税金・税制に関すること etc. すべての学習分野で関わってくる最重要科目!)
- リスク管理 (保険について etc.)
- 不動産 (不動産について etc.)
- 相続・事業承継 (相続・遺言 etc.)
目次
独学でもいける?
まず、「FP2級は独学でもいけるかどうか?」という点について気になる方も多いと思います。ズバリ「独学でも十分合格できる!」が答えです。
と「文系の人には難しく感じるかも?」と思われがちですが、全くそんなことないです。加減乗除が出来れば数字が苦手な人も問題なし!と思います。かくいう私も超文系ですから…。安心してください!
実技科目はどれを選ぶべき?
FP受検については、3級の時にも迷われる方が多いと思うのですが「実技科目をどれにするか」という点です。実は私、3級の時には「個人資産相談業務 (きんざい)」を選択しましたが、2級では「資産設計提案業務 (日本FP協会)」を選択しました。
- 出題範囲は6分野すべてにまたがるが、クセのある問題が少ない
- 過去問対策で比較的つぶしがききそう!
- 問題数は多いものの、1問あたりの配点比重が軽い
- 計算問題をしっかりおさえればイケそうな感じがした
きんざいの「個人資産相談業務」の場合は、1問あたりの配点が大きいので「もし全く歯が立たない問題が出たらそのまま落としてしまいそう」というところが正直心配でした。その点、日本FP協会の「資産設計提案業務」については問題数こそ多いものの、解けない・パスの問題があったとしても他に正答をきちんと積み重ねさえすれば合格ラインに達するのでは?と思ったからです。
きんざいの問題を見てみると、個人的にやや難しく感じたので2級では資産設計提案業務を選択しましたよ!
オススメのテキスト・参考書や学習方法
私が実践したこと (使用テキストと学習方法) は、下記の通りです(‘ω’)!
- 「FP2級ドットコム (過去問道場)」
- お金の寺子屋
- お金の寺子屋さんで模擬試験を購入
市販の数あるテキストについては正直どれが一番良いのか選べず、私は上記2つのサイトをとにかく使い倒しました。「過去問道場」では問題ごとにも補足説明もありますし、「お金の寺子屋」のYouTubeの無料講義で不明な点などは確認できます。総仕上げとして、「お金の寺子屋」の模試を試験前に購入はしました。この2つのサイトを参考書として活用すると、対策としては十分ですし、実際に理解度もあがります。無料とは思えないほどコンテンツの充実度が違いますので試験対策に使用している人は多いと思います(‘ω’)!
過去問道場のサイトでは、登録すると自分自身の学習記録や正答率も確認できるため、学習の進捗具合や苦手分野の把握、実際に合格点にどのくらい近づいているのかを客観的にみることができるため、モチベーション維持を助けてくれます。
上記の2つのサイトを参考にしつつ、下記のような学習方法を実践していました。
- とにかく地道に少しずつ・繰り返し・数をこなすこと (=問題をたくさん解くことでスピードもアップ)
→ 「FP2級ドットコム (過去問道場)」 - 学科・実技ともに過去問をひたすら解くこと (=傾向を知る)
→ 「FP2級ドットコム (過去問道場)」 - YouTubeの動画講義を見て理解度を深める・苦手な分野をおさらいする
→ お金の寺子屋 - 計算問題 (PER/PBR/ROE/6つの係数 etc.) は確実に点をとれるようにする (=絶対に落とせない)
まず、数をこなすことで「早く解ける」ようになります。そして、最も重要なのが「過去問」です。実際に試験を受けた後も「過去問やっててよかった…」と本当に思いました。問題の傾向を知ることで、解法をすぐに引き出せるようになるからです。「数をこなす = 過去問を解く」と考えてOKです!
また、学科・実技ともにどうしても苦手な部分や「これはどういう意味なんだろう?」と理解しづらい点などが出た場合にはYouTubeの動画講義にてその分野を復習する・理解を深めることも大事です。2択で悩んでしまった場合などには、記憶や勘を存分に生かしたい時が多いです。そういう時こそ、動画で学習したことなどを案外思い出せるものです。学習中に困った問題に遭遇した時、解説を見る→その分野の講義を見る、をやっていくと段々と分かるようになります。
そして、「計算問題」については絶対に・確実に点をとれるようにしてたほうがいいです。FP2級でも出題は結構ありますし、この計算問題 (特にPER/PBR/ROEや利回り、6つの係数 etc.) は一度解き方をマスターすると確実に点がとれるラッキー問題となります。苦手意識を持つ方も多いと思いますが (私も最初はそうでした) これをおさえておくことで点を確実なものにできます!おかげで試験本番でも計算問題はミスることなく自信を持って臨むことができました。
学習期間・1日あたりの学習時間
一部では「短期間 (1ヶ月・2週間・1週間など) で受かる!」といったものを見かけることもありますが、これらを鵜呑みにするのはやめたほうがいいかも…と思います。おそらくそういったケースに当てはまるのは既にベースがある方やFPと分野が被る何かの資格を持っている方 or 相当要領の良い方だと思います(‘ω’)
個人的な経験と感覚からですが、学習期間・時間については下記のような感じでした。
- 毎日15-30分だけでもいいから学習時間を確保
- 学習期間は3級~2級のステップアップでは半年くらい
私は金融・保険・不動産・行政機関などで働いているわけではなくて、FP試験の6分野においてはどれも初学者レベルからのスタートでした。ただ、金融資産運用の分野については自分自身でNISA制度を活用していたり、どちらかといえば一番興味のあるところだったので割と学習はスムーズに進めることができました。逆に保険・不動産・相続あたりについては馴染みがなかったので、ややこれらの分野に学習の時間を割いていたと思います。
ただ、とにかく心がけていたのは「短時間でもよいから毎日学習時間を確保すること」でした。過去問道場やお金の寺子屋のYouTube講義はスマホ・タブレット・PCさえあればどこでも取り組めますので、隙間時間で過去問といたり、解説を観たり…というような具合でした。休みの日にまとまった時間がとれるような時には、やや普段より多く時間をとる (1-2時間) という感じなのがちょいちょいあったくらいで、基本は日々の積み重ねが力を付ける良い方法だったのかなーと今でも思います。
難易度について
FP2級の難易度について気になる方もいると思いますが、FP2級については「めちゃめちゃ難しいわけではないが、対策なしで挑むと普通に何度も落とされる (=合格できない) 試験」だなーと思います。FP2級だけでなく、3級もそんな感じです。
- 科目合格 (学科 or 実技どちらか一方合格) で免除制度あり、合格した試験の実施日が属する年度の翌々年度末まで有効 (=一発合格でなくても大丈夫)
- 絶対評価なので「合格ライン: 60%」さえクリアできれば合格できる
- ある程度出題傾向が決まっている
つまり、学科か実技どちらか合格していれば (どちらか一方不合格でも) 次回のチャレンジで不合格だった科目をパス出来れば総合合格ということになります。一発合格も十分狙えますが、科目合格さえすれば次の受検の負担が減ります。合格ラインもほぼ決まっているのと、相対評価ではないところも理由の一つ。そして問題傾向にもある程度過去問を繰り返すと掴むことが出来るのもFP2級の特徴。そこらへんが難易度でビビる必要がないというポイントです!
ただし!2級については受検資格があります。
- FP3級合格者
- AFP認定研修の受講修了者
- 2年以上の実務経験者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査3級合格者
つまり、受検者全員がある程度「基礎はもちろんありますよね?」状態です。そんな基礎学習を経たり知識・経験がある人でも対策はしないとなかなか手ごわいものです。
案外手こずる!
受かる人は、学習段階である程度合格ラインに達するなど手ごたえを感じています。私自身も、学習始めた最初の段階では「なんだこりゃ!受かる気がしない」と本当に思っていましたが、学習を始めて4、5ヶ月経過したあたりから、過去問道場の正答率も学科・実技ともに70%以上に達していて、「凡ミスさえしなければ受かるかも!」と結構自信を持てたからです。
「FP2級は簡単」という声もちらほらありますし、受かったから今だからこそ「振り返ればめちゃめちゃ難しい…ってわけでもなく、対策次第でいける試験だな」と言える感じです。適当にダラダラしてるときっと何度も落とされて一生合格できていなかったかと思います…。
学習分野がとにかく範囲が広い・ややこしい数字が多い
FP2級が案外難しい・手こずると感じる理由の一つに、「学習範囲の広さ」と「ややこしい数字・数値がたくさん出てくる」ところです。
- ライフプランニングと資金計画 (年金の仕組み etc.)
- 金融資産運用 (NISAの仕組みや金融一般知識 etc.)
- タックスプランニング (税金・税制に関すること etc. すべての学習分野で関わってくる最重要科目!)
- リスク管理 (保険について etc.)
- 不動産 (不動産について etc.)
- 相続・事業承継 (相続・遺言 etc.)
大分類で6分野になりますが、そこから各分野で学習項目が多岐にわたります。しかもそれぞれの分野が複合したような問題も出ますから、とにかく範囲が広いと感じました。特に鬼門は全ての分野に首を突っ込んでくる (?) 「タックスプランニング」の分野だと思います。
ただし、ある程度頻出問題だったりといった問題の傾向というものがあるのも事実で、「過去問が大事!」と言われるように、傾向を知る→対策をする→問題に慣れることで、学習範囲の広さの悩みは徐々に解消されるもんです。
難しいと感じるポイントのもう一つ「数」については、とにかく試験によくでるポイントを暗記するしかないです。「●年」「●ヶ月」「●%」「●万円」などなど。これらを全然おさえていない段階では、過去問を解きながら何度も選択肢に惑わされたりします。
ただし、学習初期段階では分からなくても大丈夫です。ほんっとに大丈夫です。やっていくうちに確実に理解度・正答率が高まっていく・手応えを感じるのもFP2級の特徴です。
合格ラインは学科・実技ともに60%
FP2級はどれだけの人が試験を受けようが「合格ラインと言われるボーダー (60%) さえ超えればOK」です。「相対評価」のように、どんなにいい点数をとったとしても、その試験回の受検者の平均点が高ければ落ちてしまうことも…というのがありません。とにかく周りの点数が高かろうが低かろうが、合格ラインに達したらいいわけです(‘ω’)!
ちなみに私が受けた回の結果は下記のような感じでした!
- 学科
受検者数:26,700 → 合格者数:14,902
合格率:55.61% - 実技
受検者数:20,608 → 合格者数:13,739
合格率:66.67%
比較的高い合格率をたたき出した回でした!過去の試験回の中でもまあまあ高い合格率だったみたいです。
3級 vs 2級!違いはどう?
3級→2級は学習範囲は同じですが、個人的にはFP3級ギリギリで受かった人にとってFP2級は最初「えっ 難しい」と普通に思っちゃうかもです。問題の解答の選択肢も増えますし、試験で問われる内容もひっかけが多くなったりと難易度がグッとあがります。感覚としてはこんな感じ。
- 学科:選択肢が増えて勘があたらない! (3級:○×式および3答択一式 vs 2級:4答択一式)
4択→2択までは絞れても、その残り2つで悩むことが多い! - 実技:3級ではむしろ余りすぎて途中退室したくなる時間が、2級では時間が足りなくて焦る!
ただし、学習分野自体はFP2級もFP3級も同じ6つです。全くちんぷんかんぷんというわけではないので、むしろFP3級に合格した人はそのままFP2級もターゲットに学習を進めるほうがいいです!
当日試験の感想と注意点
学科も実技も問題数が多く、時間に追われていたなーと思いました。最終的な見直しの時間まで考えると、結構時間がないというか…
- 分からない問題はパス!次にどんどん進む…
- 絶対に落としたくない計算問題は特に落ち着いて
- 実技試験の数の単位 (●万円と答えるのか or XX,000,000で答えるのか) の凡ミスは絶対に回避
- 答案ミスがないか・ズレがないか・重複回答がないか、解答用紙はしっかり最後までチェック
- 学科が終わっても、すぐ切り替えて実技へ切り替える (学科の振り返りはあとでのお楽しみにすること!)
問題用紙の持ち帰りが出来るので、自己採点をしたい方は解答用紙に書いた答えを問題用紙にも転記しておくことをオススメします!
試験結果
自己採点の時点で、ボーダーを越えていた (凡ミスさえしていなければ) ということで、試験当日にすぐ自己採点をしたことで「ホッ」とするのが早かった私です。解放されたーってことでスッキリでした!
- 学科:48/60点 (合格点:36点)
A. ライフプランニングと資金計画:6/10点
B. リスク管理:9/10点
C. 金融資産運用:8/10点
D. タックスプランニング:9/10点
E. 不動産:9/10点
F. 相続・事業継承:7/10点 -
実技:86/100点 (合格点:60点)
学科より実技のほうが自信がなかったのですが、実技のほうが合格点としてはよかったです。計算問題を確実に点数を取れたのは大きかったかもです。学科については、割と苦手と感じていたリスク管理 (保険など) と不動産の分野が9点と意外と高かったことが驚きでした。ライフプランニングと資金計画については、もともと苦手だったことに加えて、学科の最初の問題で既に躓いたので納得の結果。割とバランスよく点数とれたほうかなーとは思いました。自己採点の際に「えー!何でここ間違ったんだ!」というような問題もあったので、少し悔しかったです(‘ω’)
FP2級はこんな人にオススメ
FP2級は専門性にやや欠けるところにありますが、学習内容やそれを通じて得られる知識が私たちの日常生活のあらゆることに繋がっている汎用性の高い資格かなと思います。
「何か自己啓発をしたいけど、何に取り組みたいのか分からない。」というような自分探し迷子 (?) な人にも、FP3級→FP2級とステップアップを目指してみるのはいいことかもと思います。
- 新社会人になってマネーリテラシーを高めたいひと
- 日本の社会保障制度や仕組みについて知識をつけたいひと
- 資産運用 (保険加入・投資など) に興味があるひと
- 結婚・出産を期にライフプランの計画にしっかり向き合いたいひと
- 金融・保険・不動産・行政などの専門性の高い仕事に関わるひと (専門性 +α)
- 相続や介護など親御さんとのかかわりに備えたいひと
- 漠然と資格取得を目指したいけど迷っているひと
まとめ
FP2級を目指すまでは「なんとなく興味ある」から、私たちの身近にあるあれこれをもっと知りたいと思えるようになりました!
あとは久々に何か達成感というか、勉強って楽しいなーと思えるようにもなって学習習慣のベースを作る良いきっかけになったと思ってます。資格自体に知名度があることもあって、保有していることに割と興味を持ってもらえるようにもなりました。
あと一番大きなのは「知らないことが多いと損だな」と感じたことや「会社員って恵まれているんだな」と実感したことです。年末調整とか会社が全部やってくれるってめっちゃ楽ですもんね(‘ω’)
毎月の給与明細や天引きされている控除額なんかにもしっかり目を通すようになりましたし、会社の福利厚生などについてももっと知りたいなーと思ったり。もっと早く勉強したかったなー!とちょっと悔しいです(‘ω’)
実際に学習してから資産運用のことだったり社会保障制度の仕組みについて色々と考える~というより、まず実際に何かやってみる (つみたてNISAで投資をはじめてみる・保険を見直す・給与明細や年末調整にもっと関心を持つ) ことからスタートしてからFP2級を目指すというのもいいかも(‘ω’)?